頭の中がずっと”ToDoリスト”なあなたへ 〜メンタルロードという言葉に出会って〜

夜、子どもを寝かしつけてやっと座れたはずなのに、頭の中では明日の持ち物、冷蔵庫の残り、来週の予防接種の予約……次から次へと「やらなきゃいけないこと」が浮かんできて、なんだか休んだ気がしない。そんな夜はありませんか。

体は動かしていないのに、どっと疲れている。家事の分担表を作っても、なぜか自分ばかりが疲れている気がする。それなのに「手伝おうか?」と聞かれると、なぜかモヤっとしてしまう。そのモヤモヤ、実は最近「メンタルロード」という言葉で説明されるようになってきました。

「やること」より「気づくこと」がしんどい

メンタルロードとは、家事や育児における「考える・気づく・計画する」という、目に見えない部分の負担のことです。実際に皿を洗う、洗濯物を干すといった”作業”そのものではなく、その前段階にある段取りや判断、確認の積み重ねが、じわじわと心をすり減らしていく感覚に近いものです。

たとえば、こんな瞬間に心当たりはないでしょうか。

冷蔵庫を開けて「そろそろ醤油がなくなりそうだな」と気づくのはいつも自分。保育園の提出書類の締め切りを覚えているのも自分。週末の予定を組み立てながら、誰の習い事があって、誰の体調がまだ本調子じゃなくて……と頭の中でパズルを組んでいるのも、気づけばいつも自分。

パートナーが「言ってくれれば手伝うのに」と言うとき、悪気がないのはわかっています。でも、その”言う”という行為自体が、すでに気づいて、整理して、優先順位をつけるという負担の結晶なんですよね。作業を分担しても、この「段取りを考える係」がひとりに偏っていると、疲れは平等には減ってくれません。実際、共働き夫婦を対象にしたある意識調査では、女性の7割がパートナーの家事姿勢に不満を感じており、その最大の理由は「家事を”手伝うもの”だと思っていること」だったという結果も出ています。妻の家事に満足している夫が9割いる一方で、夫の家事に満足している妻は6割にとどまるというギャップも、根っこは同じところにあるのかもしれません。

「見えない仕事」を、見える形にしてみる

では、どうすればこの偏りを少しでも軽くできるのでしょうか。ひとつの方法は、「作業」だけでなく「段取り」も分担リストに乗せてみることです。

たとえば、「洗い物をする」ではなく「日用品の在庫を把握して、切れる前に買う」も立派なタスクとして書き出してみる。「保育園に送る」ではなく「持ち物と提出書類を把握し、前日までに準備する」も分担できる項目として扱ってみる。こうして”考える部分”まで言語化すると、パートナーにも「自分がやっていなかったこと」の輪郭が見えやすくなります。

もうひとつは、完璧に均等にしようとしないことです。分担は綺麗な五分五分でなくてもよくて、「今週は段取り担当を交代してみる」くらいの緩やかな実験でも十分です。実際、電気圧力鍋や乾燥機能付き洗濯機のような時短家電を取り入れて、そもそも”考える対象”自体を減らすという選択をしている家庭も増えています。完璧を目指すより、負担の総量を減らす工夫を探すほうが、続けやすいはずです。

そして何より、「疲れているのは頑張りが足りないからじゃない」と、自分にも伝えてあげてほしいのです。目に見えない仕事は、評価もされにくく、感謝もされにくい。だからこそ、まずは自分自身がその負担に気づき、名前をつけてあげることが、いちばん最初の一歩になります。

おわりに

今日も、頭の中でたくさんのことを段取りしながら一日を過ごしたあなたへ。その見えない頑張りは、ちゃんと家族の暮らしを支えています。たまには「段取り係、今日はお休みします」と声に出してみるところから、少しずつ肩の力を抜いていけますように。

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